SEV装着で2度目の車検を終えたVW「GOLF ⅤGT」が激変!
■SEV取材車「GOLF Ⅴ GT」のスペック■
今回のテスト車両は、VW「GOLF Ⅴ GT」。エンジンは、直列 4気筒 DOHC 1,984cc。最高出力150 ps/ 6,000 rpm、最大トルク20.4 kg・m / 3,500 rpm。(前) ストラット式 (後) 4リンク式のスポーツサスペンションは、15mm下げられる。組み合わされるタイヤサイズは(フロント)205/55R16、(リア)205/55R16。全長 x 全幅 x 全高4,205 x 1,760 x 1,500 (mm)、車両重量1,380(kg)、ホイールベース2,575(mm)。GH-1KBLX型の「GOLF Ⅴ GT」は、05年10月~07年1月まで生産された短命モデルであったが、粘りのあるフィーリングはファンも多い。(後に「GT TSI」と名を変え、1.4Lツインチャージャーエンジンは170psを発生。)
前回のレポートでは、新発売されたSEV「センターオンスタイルシリーズレーシング」をVW「GOLF Ⅴ GTI」に装着し、そのダイレクトな乗り味、レスポンスの変化に感銘を受けたが、今回は、2度目の車検を受け、エンジンもこなれてきたVW「GOLF Ⅴ GT」の潜在能力を100%引き出す為に、徹底SEV化を敢行。そのメニューは、吸排気系のSEV「BIG POWERセットシングル」、燃料系の「フューエルP・E」、そして、新製品の「nanoSEVエナジーバランス技術」を用いたSEV「センターオンスタイルシリーズクルージング」を組み合わせた。同車は、すでにSEV「ヘッドバランサーH-1,H-2」、「ラジエーターR-1,R-2」は装着済み。これらの相互作用も楽しみなところである。
SEV「BIG POWER インテーク」とSEV「BIG POWER エキゾースト」のセット。併用する事で、低回転域から高回転域の全域で効果を発揮。エアクリーナーとマフラーを交換した作用が発揮されると思えば、効果が納得しやすい。 ¥44,100
SEVの新しい技術「nanoSEVテクノロジー」を搭載したSEV「センターオン スタイルシリーズ」は車内の中央に置くだけで効果を発揮。「クルージング」はスムーズで上質な乗り心地を提供。クルマ全体に効果を行き渡らせ、足回り、エンジン、駆動系にも効果を発揮可能。 ¥36,750
SEV「BIG POWERインテーク」は、エアクリーナーボックスから伸びるエンジン側の吸気ダクトに巻き付ける。取り付けは、SEV東京ショールームにて施工して頂いた。
アルミ製のタイラップで完全に固定。
吸気側のSEV「BIG POWERインテーク」は、空気の流れをスムーズにしてSEV化。その結果、燃焼しやすい状態にし、パワーアップを実現。
SEV 「BIG POWER エキゾースト」は、サイレンサー前後のいずれかに巻き付け、アルミ製タイラップで完全固定。今回は、パワーアップを狙い、サイレンサーの根元に装着した。この距離を調整する事で、レスポンスを可変できる。
エンジンの燃焼プロセスにおいて、燃料は大きな役割を持つ事はご存知の通り。SEV「フューエルP・E」は、燃料ラインのインレットパイプ(供給ライン)に外側から取り付けることで、燃料のもつポテンシャルを最大限に引き出し、トルク、パワーを体感レベルまで向上。「フューエルP・E」は、走り方、アクセルワークにより、2モードの走行が可能。街中などでは、トルクフルな省エネ走行。アクセル開度の大きな時には、パワー&レスポンスに優れたスポーツ走行が可能である。 ¥29,400
■SEVチューン 2.0L FSIエンジン完成■
エンジン全体がSEV化されたBVY型、直列4気筒DOHC16バルブ2L。
■センターオンシリーズも刷新■
同車に元々設置されていたSEV「センターオンコンフォート」。突き上げ感を抑えた乗り心地は、数百キロのロングドライヴも疲れ知らず。マットブラック塗装のSEV「センターオンスタイルシリーズ」とは、異なる乗り味で、状況に応じて使い分けたいところである。車内で存在感のある鏡面仕上げを採用した。
これまでのSEV「センターオンシリーズ」の鏡面仕上げから一転。車内でもさりげなく設置できるようにマットブラックの縮緬塗装を採用した。サイズの変化はないため、専用ステイは併用可能である。
これまでSEV「センターオンコンフォート」が設置されていたが、同形状のSEV「センターオンスタイルシリーズクルージング」に入れ替わった。さてその違いは・・・走行インプレでその違いをお伝えする。
■SEVチューンされた「GOLF Ⅴ GT」走行インプレ■
テストを敢行したコースは、路線バス程度の速度で流れる街中走行、そして高速道路、箱根裏街道と多岐に及んだ。今回のテストでは、元々装着してあったSEV「ヘッドバランサーH-1,H-2」、「ラジエーターR-1,R-2」に新たに、SEV「BIG POWERセットシングル」、「フューエルP・E」、「センターオンスタイルシリーズクルージング」を加えたもの。
SEV「ヘッドバランサーH-1,H-2」、「ラジエーターR-1,R-2」でも十分満足な効果が得られ、そのエンジンフィールに満足していたが、その感触にそろそろなれてきた頃、新たに3アイテムを加えた。
タウンスピードで即座に感じられたのは、足回りの変化。これまで設置していたSEV「センターオンコンフォート」の方がマイルドな乗り味で、ダンピングを抑え、製品名のとおり「コンフォート」な感を受ける。カンタンに言えば、やや硬く感じられた乗り味がやんわりするとでも言えば分かりやすいであろうか・・・。「nanoSEVテクノロジー」を用いた新製品SEV「センターオンスタイルシリーズクルージング」では、当初想像していた以上にスポーティな設定。路面の凹凸を拾うのは事実であるが、決してダイレクトに伝わる不快なものではなく、“ワンランク上のグレード”に設定されている足回りを手に入れたといった感触。やや、過激な効果を発揮するSEV「センターオンスタイルシリーズレーシング」と対極の性能ではなく、こちらでも十分スポーティな効果を期待できる。また、圧倒的なトルク増加によるアクセル開度の変化は如実。これは、SEV「BIG POWERセットシングル」、「フューエルP・E」の効果が大きい。シグナルスタートでも、従来のアクセル開度で発進すると、同乗者の首が後ろに持っていかれるほど。その結果、タウンスピードではアクセル開度が減り、燃費向上にも繋がることが証明できた。
高速道路のゲートを抜け、法定速度まで一気に全開加速を試みた。2.0L FSI BVY型、直列4気筒DOHC16バルブエンジンは、元々トルクフルで自然吸気エンジンらしいフラットトルクが持ち味であったが、トルクが2曲線化され、スウィートスポットを見つけ出す事が出来た。高負荷時にこそ本領を発揮するSEV製品群であるが、まず、エキゾーストノートに変化が。元々低く、野太い音色の同ユニットであるが、「アルファ159」の2.2L JTSユニットのような乾いた声色が加わり、エンジンが“回してくれ!”と訴えかけてくる。4000rpmあたりで吹け上がりが勢いづき、5000rpmではサウンドがさらに力強くなり、そのまま7000rpm近くまでスムーズに回りきってくれる。また、6速ティプトロニックの制御にも変化が表れ、各ギアがバトンタッチする速度域が上昇している。法定速度から口ではいえない速度までの到達タイムの短縮も驚くべきもので、先ほど記した“ワンランク上のグレード”にクルマが変貌したような感覚に陥る。また、速度を上げるとSEV「センターオンスタイルシリーズクルージング」の効果は、路面の凹凸を身体で感じるのではなく、耳で感じるほどフラットな乗り味になる。無論、高速コーナー進入時のアンダーステアやピッチングは見事に抑え込まれている。
最後に、数々のVWを乗り継ぎ、通称“GOLF使い”と呼ぶ者に運転を変わり、箱根の旧街道に分け入った。その昔、走り屋達に荒らされたルートも今では静かなもの。さて、ここは天下の剣。急勾配が目の前に迫ってきても、エンジンは2500rpm辺りをうろうろ。しかも、ドライブレンジキープのままでもスルスルと駆け上がってしまう。彼いわく、排気量2.5Lクラスのゆとりがあるとの事。さらに先には、過去に刷り込まれたブラックマークがアスファルトを染める「七曲り」がせまる。“GOLF使い”は、無言のまま走りに徹し始めた。「おいおい、この進入速度で曲がれるのか?このコーナ!」といった場面でも、破綻する兆候すら見えない。公道ではありえない走りを一時的にテストという名目で行ってしまったが、足回りをいたずらに固めないSEV「センターオンスタイルシリーズクルージング」は、本来持つサスペンションの仕事の手助けをしているため、クルマが跳ねたりしない。そのため、タイヤは決して路面を離さない。また、低速トルク増大の効果も絶大で、コーナー脱出時の立ち上がりがまるで違う。
決してオーバーな話ではなく、この変化には、驚きを隠せなかった。峠の頂上のドライヴインでアラフォー男2人、缶コーヒー片手に、ガム状に変化したタイヤの接地面を見て、「ちょっとやりすぎた?でもやっぱSEV効果凄いよな。」と年甲斐もなく、はしゃいでしまったのは、いうまでもなかった。
テスト走行を終えた頃には、周囲はすっかり暗くなっていた。しかし、2回目の車検を終え、この「GOLF Ⅴ GT」にとって初めて味わうフィーリングにただただ、感心するのみだった。